第二の故郷・三田市の
人々の力になりたい。
理工学部 人間システム工学科※ 4年生 ※取材当時
越智 健太 さん
僕たちのキャンパスがある兵庫県三田市は、住民の高齢化など、さまざまな課題を抱えています。3年生の秋に履修した『情報化社会と人間』の授業では、三田市と連携して、そうした地域の課題に学生の視点で取り組むという経験をしました。しかし4ヵ月という授業の期間でできることは限られています。「授業が終わったあとも、授業の枠を超え、継続して地域の課題と向き合っていきたい」。そう考えた僕たちは“三田活性化隊(通称・三活隊)”という有志団体を発足。僕が代表を務め、三田市役所の「若者のまちづくり課」「農業創造課」「協働推進課」「都市再生課」の4つの課と協力して、三田市の未来に向けたさまざまな活動を繰り広げています。
※2021年4月、理工学部を改組し、理・工・生命環境・建築学部へ。
学部学科名はそれ以前のものです
学内外で人脈を広げながら、
三田市の未来へとつながる道を探る。
三活隊の現在の主な活動内容は、三田市の魅力を発信するイベントのお手伝い、人手の少ない農家への学生バイト派遣、市のワークショップや地域コミュニティへの参加、オンライン食事会など。当初のメンバーは『情報化社会と人間』を履修していた学生だけでしたが、今では先生方や、さらに三田市の方々や他大学の学生なども加わった総勢13名で活動しています。
農家への学生バイト派遣では余剰作物を通して、農家と学生をよりスムーズに結びつける方法として、マッチングアプリの開発を検討中です。三田市ではICT技術を住民の快適な暮らしに役立てる「さんだ里山スマートシティ構想」を進めており、三活隊にはこれについての学生視点での意見や提案が求められています。今はまだ具体的な提言はできていませんが、三活隊は人脈も広げる場としても整いつつあるので、そこから面白いアイデアを橋渡し的に繋げていくことができれば、と考えています。
「人との関わり」に突き動かされ、学んだ。
本物の「情報」は現場にある、と。
「情報について学ぶ授業」は、PCに向かって何かするというのが高校までのイメージ。だから『情報化社会と人間』の授業内容は、最初、不思議でした。市役所や住民の方々と会って話を聞き、ニュータウンや農家の実情を自らの目で見て…。インターネットで見る「三田市」と、自分で実際に中に潜り込んで感じ取った「三田市」とは、明らかに違う。そこに、本当の「情報」があるのだと実感しました。
地元を離れ、三田市で一人暮らしをするなかで、僕は「人との関わり」の大切さを再認識しています。市役所の方々も、僕らを頼りにしてくれる。もはや三田市は、僕にとって第二の故郷。「ここに住む人たちの力になりたい」という気持ちが、原動力です。今やれることに確実に取り組んで、一段ずつでもステップアップできればいい。三活隊の活動はまだ始まったばかり。大学院への進学が決まったので、僕はあと2年続けられる。新しい試みもいろいろ計画中ですし、まずは今やれることから、精一杯やっていきます。