栃下 藤之さん

「情報工学×芸術」
二つの興味をとことん追求。

工学部 情報工学課程 1年生
※取材当時

栃下 藤之 さん

小学5年生から習い事として学んできたプログラミングを面白いと感じる一方で、演劇やアニメに興味を持ち、芸術やエンターテインメントに関わる勉強がしたいとも考えていました。「でも大学進学で情報系の学部を選んだら、芸術とはかけ離れた世界に行くのかな…」。そんな思い込みを打ち消してくれたのが、関学の説明会での巳波弘佳先生の講義です。アニメのピアノ演奏シーンでリアルな指の動きを表現するCGが、先生の開発された技術で楽譜情報に基づいて自動生成されたと知り、驚きました。情報工学と芸術。私の二つの興味が、結びついたのです。そして今、私はこの大学で、プロジェクトマッピング技術の舞台芸術への活用など、自らの関心を突き詰める学びを進めようとしています。

栃下さんが所属しているアカデミックコモンズプロジェクト『Feel Learning ~感学~』の活動では、小学校を訪問し、簡単なゲーム作りなどを通してプログラミングを楽しく学べるワークショップを開催。プログラミングを難しそうと思い込んで「食わず嫌い」にならず、子どもたちに一度体験してもらうことでその面白さを伝えていきたいというのが栃下さんの願いです。

理数系でありながら
芸術にも通じる柔軟さが
求められる「二面性」が
プログラミングの魅力。

理数系の学びには「答えは一つしかない」といったイメージがありますが、プログラミングはその限りではありません。同じ処理を行うのにも幾通りもの書き方があり、どんな人が使うかやメンテナンス性などの観点から、その条件下での最適な書き方を探るんです。理数系なのに芸術のように柔軟な考え方が求められる、プログラミングのそうした二面性をとても興味深く感じています。
巳波先生の研究を知り、私にとっての情報工学の面白さはさらに広がりました。アニメーターの感性で描かれたようなCGが、実は数学の理論が駆使されて作られている。計算されていないようで計算されているといった二面性を、ここにも見つけられました。先生の研究室ではプロジェクトマッピング技術の研究にも取り組んでおり、最近ではオペラの舞台背景にこの技術を活用する研究が行われています。まだ1年生の私は授業で情報工学を基礎から学んでいる段階ですが、この大学には他にも私の好奇心を満たす研究テーマが数多くあり、学修を進めていくのがとても楽しみです。

データサイエンス、
医療分野など、
学べば学ぶほど
興味の範囲が広がっていく。

芸術やエンターテインメントだけでなく、プログラミング技術を社会に幅広く役立てる知識も修得できています。文系理系関係なく全学部の学生が学べる全10科目からなる『AI活用人材育成プログラム』では、企業でも実践的に使われているAIやデータサイエンスの活用スキルを学修。プログラミング技術やデータサイエンスのような数理的な知識だけが重要なのではなく、社会における多くの活用事例の知識とAI・データサイエンスの知識を組み合わせて課題を発見する能力・解決する能力も欠かせないと知りました。また、巳波先生が取り組まれている研究の一つに「CTスキャンなどで得られた臓器の断層画像から臓器全体の複雑な3次元内部構造をAIなども用いて推定する」という技術があるのですが、これがいかにすごいことかも、『AI活用人材育成プログラム』でAIについて深く学んでいるからこそ理解できます。「専門医の仕事をAIができるように」なんて、本当に困難かつ価値ある研究だと思います。
将来はプログラミングやAIに関連する研究職に就きたい。そこは絶対譲れませんが、逆にそれ以外の面、例えば業界や業種にこだわりはないというのが本心です。自分が知らなかった世界に行けば、そこでまた新しいことが学べる。実際に今も大学で、医療への関心が高まっています。プログラミングから広がる世界に、限りはなさそうです。

PROFILE

栃下 藤之さん

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工学部 情報工学課程 1年生
※取材当時

栃下 藤之
(とちした ふじの)

京都女子高校出身。小学生の時からパソコンスクールでプログラミングを学んだ。舞台演劇や美術館に足を運ぶ機会にも恵まれ、芸術やエンターテインメントに強い関心を持つ。高校では演劇部と漫画部に所属。高校1年生の時、大学説明会で巳波弘佳教授の講義を聴き、「この先生から学びたい」と考えて関西学院大学工学部への進学を志望。大学入学後はAI活用人材育成プログラムを受講するなど情報工学の知識を深めつつ、一方でアカデミックコモンズプロジェクト『Feel Learning~感学~』ではワークショップを通じて小学生にプログラミングの楽しさを伝える活動を展開。趣味は舞台演劇や映画・アニメなどの鑑賞。小説やマンガも大好きで、最近ではストーリーを楽しむだけでなく「この場面を映像で表現するならどんな技術をどう使うか?」といったことを想像しながら読むようになったそう。

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