梅谷 隼人さん

国連ユースボランティアで
見えた「学術と現実の差」。

総合政策学部 国際政策学科 4年生 ※取材当時

梅谷 隼人 さん

先進国の支援が本当に途上国の経済発展に寄与しているのか、学問的知見を生かしたアプローチをして、途上国の今後に貢献したいと考えていた私にとって、関西学院大学の総合政策学部国際政策学科は最適な「学びの場」でした。元国連職員・国際機関職員など、国際協力・支援の現場で働いた経験を持つ教員が揃っており、経験に基づいたさまざまな知見が得られるからです。また、大学に国連ユースボランティアプログラムがあることも魅力でした。途上国への支援は、道路などのインフラ支援や輸出振興などの貿易政策などに有効であるとされる一方、汚職や賄賂、支援の分配の不平等などがあるとされています。開発援助の現状、あるべき姿を学ぼうと関西学院大学に入学しました。

国連ユースボランティアプログラムは、関西学院大学が国連ボランティア計画(UNV)との協定に基づき、学生を開発途上国にボランティアとして派遣するプログラム。本学が2004年に開発途上国への学生ボランティア派遣を開始して以来、これまでに100名を超える学生が開発途上国で活動を行っています。

UNVの前にベトナム・
フィリピンで途上国体験。

大学入学後は、通常の授業に加え、国連ユースボランティアプログラムの授業を通して、途上国に関する知識の修得に励みました。また、1年生の春季休暇にはベトナムでの短期フィールドワークを体験。現地のドラム(太鼓)メーカーの調査を行いました。私にとっては初の途上国経験。経済成長さなかの勢いを感じるとともに、交通渋滞の多さに困惑。インフラが整備されていないことを実感しました。また、貧富の格差も目の当たりにしました。その後、フィリピンで幼児教育のボランティアに参加しました。国連ユースボランティアに参加したのは2年生の9月末から約5カ月間。UNICEF(国際連合児童基金)を選択した結果、ベトナムで防災に関するプロジェクトを担当することになりました。

研究者と現場の間にある差を
埋める方法を解明したい。

ベトナムで担当したプロジェクトは日本政府が支援するもので、神戸市で行われている防災福祉コミュニティ(地域住民が災害時に助け合いができる組織)のモデルをベトナムにも導入しようとするものです。日本語で書かれた資料を翻訳するほか、地方に出張し、政府機関の人や地域の病院、小学校などとのミーティングを行うなどの業務に携わりました。UNVで現場を体験したことによって、学問的に有益とされることと、途上国の地域で有益とされることは必ずしも一致しないという思いを強くしました。研究者と開発援助の現場で働く人の間には差があるのではないか、その差とはどのようなものか、それを埋めるにはどうしたらよいかを考えるため大学院に進学し、その答えを見つけたいと考えています。

PROFILE

梅谷 隼人さん

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総合政策学部 国際政策学科 4年生 ※取材当時

梅谷 隼人
(うめたに はやと)

和歌山・初芝橋本高校出身。テレビで見た発展途上国の貧富の格差に衝撃を受け、途上国の開発に関して問題意識を持った。また、途上国でボランティアの経験を持つ親戚の話を聞き、自分も「人を助けたい」という思いを強くした。開発援助が途上国の経済に役立っているのかを学びながら、実際に現地に行って体験してみようと、国連ユースボランティア(UNV)プログラムが充実している関西学院大学総合政策学部に入学。2021年3月卒業後、神戸大学大学院国際協力研究科博士課程前期課程に進学。

12月5日の国際ボランティアデー(International Volunteer Day)のイベントへ参加。
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