山下 音緒さん

宇宙教育を通して
想像力豊かな社会を。

理学部 物理・宇宙学科 1年生 ※取材当時

山下 音緒 さん

私は「UNIVERS&」というプロジェクトの代表を務めています。宇宙教育を通じて、多くの人に宇宙を身近に感じてもらおうというものです。特に私自身が重きをおいているのは「人の想像力を育てる」こと。人間関係やコミュニケーションの問題の多くは、想像力不足が原因だと私は考えます。「もし自分が相手の立場なら」「もし自分がこんな行動を起こせば」といった想像を働かせるだけで、結果が変わることがある。みんながそうした想像力を持てば、虐待などの事件や戦争だって回避できるのではないでしょうか。宇宙という謎がいっぱいの場所について知り、考えを巡らせれば、想像力を大きく膨らませることができるはず。そんな想いで、このプロジェクトに取り組んでいます。

「UNIVERS&(ユニバーサンド)」というプロジェクト名は、宇宙を意味する「UNIVERS」に、さらなる広がりやつながりを感じさせる「&」を添えたもの。「サンド」と読ませることで和製英語の「はさむ」という意味も感じさせ、「勇気、やる気」といったポジティブな意味をもつ「sand」という英単語の響きも含ませています。

「火星移住」について考える
アクティビティで、
自由奔放な意見がたくさん
飛び交い、手応えが得られた。

「UNIVERS&」は2021年度のアカデミックコモンズ・プロジェクトの一つとして、物理・宇宙学科の一期生である1年生4名で今春より始動。8月に1回目のアクティビティを実施し、4学部11名の学生に参加がありました。「火星移住」をテーマに、クイズで参加者に火星の基本知識を伝え、「火星に移住するには?」について参加者が自由に考えてグループごとに発表。「住居の耐震構造は?」「酸素を作れないか?」など奔放な意見が飛び交い、初対面の人が多いと思えないほどの盛り上がりで、大きな手応えを得ました。また、終了後に4名の学生から「プロジェクトに参加したい」と言ってもらえ、とてもうれしかったです。
メンバーからは「将来の研究者育成に向け、子どもたちに宇宙の知識を広める機会を作りたい」といった意見も出ています。代表として、さらに新しく増えたメンバーの意見もまとめながら、今後も学内外でこうしたアクティビティを実施していきたいと考えています。

宇宙や科学への好奇心は、
多くの人に共通するもの。
そこをかき立てる「物語」を、
いつか自らの手で。

小学3年生の時に、地球と宇宙のお話が描かれた絵本を読み、「宇宙ってすごい!」と圧倒されました。中学生になると、「宇宙がどこまで広がっているか考えると寝付けない」と教室中が盛り上がるのを見て、「宇宙への興味って、みんなに共通しているんだな」と感じました。その頃から私は「宇宙と想像力」について考えるようになり、それが今の活動につながっています。
私個人の目標として「いつか小説を書いてみたい」という想いがあります。映画も、アニメも、マンガも。そうした作品には、宇宙や科学への好奇心をかき立てる力を持ったものがたくさんあります。そんな小説を、私も人生のなかで一つでも作り上げてみたい。そしてそれが人々の想像力を育てることにつながれば、と思います。「UNIVERS&」での経験、物理・宇宙学科での学び、そして大学卒業後に企業や研究機関などで重ねる経験など、すべてをいつか私が綴る物語へと集約させていきたいですね。

PROFILE

山下 音緒

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理学部 物理・宇宙学科※ 1年生 ※取材当時

山下 音緒
(やました ねお)

京都府・ノートルダム女学院高校出身。幼い頃から宇宙や物理に関心を持つ。高校では物理はむしろ苦手科目だったが「苦手なのはあまり知らないからで、大学で突き詰めて学んでいる人たちと出会えば面白さがわかるはず」と考え、関西学院大学理学部物理・宇宙学科に入学。1年目の今は物理関連科目をまだ難しく感じつつも「公式を覚えることより根本の追求に重きをおく大学での学びは面白い」という実感を得ている。趣味は読書や、映画・アニメ鑑賞。また大学の軽音サークル『Deep Stream』に所属し、バンドでエレキギターを担当するなど、音楽にも強い関心を抱いている。

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