的野 志帆さん

副作用のない抗がん剤の
開発という夢に向かって。

大学院 理工学研究科 生命科学専攻 修士課程1年生
※取材当時

的野 志帆 さん

中学生の時にTVのドキュメンタリー番組で、抗がん剤の副作用で苦しむ患者さんの姿に胸を痛め、「将来は安価で副作用のない抗がん剤の開発に携わりたい」という夢を抱くように。そして高校の生物の先生に教わったのが、染色体の末端に存在する構造である“テロメア”でした。このテロメアの研究が抗がん剤開発やアンチエイジングに繋がると知り、実際にその研究ができる関学に進学。4年次から現在の研究室でテロメアの研究に打ち込み、そのなかで新たな知見となる成果を挙げることができて、仁田記念賞を受賞しました。努力の結果を認めてもらえてうれしく思いますが、それ以上に、優れた抗がん剤の開発という夢に向かって前進できていることに大きな喜びを感じています。

研究を進める一方で、学部生の学修をサポートするクレセントチューター業務やアントレプレナーシップ講座の受講など、大学院進学後も研究活動以外のさまざまなチャレンジを続けてきました。関学への入学を考えている高校生にも「たくさんのことに挑戦してほしい」というのが的野さんの想いです。「苦手なことにも、新しいことにも、めげずに積極的に挑戦して、広い視野と価値観を持って社会に出て行ってもらえたらと思います。」と力強く話してくれました。

留学や集中講義、プロジェクト、
ボランティアなど
研究以外でも多様な活動に挑戦し、
自己成長を。

テロメアの研究ができるのは研究室に配属される4年次からなので、「それまでは自己成長につながるいろいろなことに挑戦しよう」と、私は高校生の頃から関学のパンフレットに隅々まで目を通し、どんな学びや課外活動に取り組むか計画を立て、実際に入学後、たくさんの挑戦を重ねてきました。例えば台湾に短期留学し、帰国後も留学生のサポートボランティアに参加。英語力や異文化間コミュニケーション能力を高めることができました。また入学当初はPC操作が苦手だったので、これを克服しようとプロジェクションマッピングに取り組むアカデミックコモンズプロジェクトに参加し、プログラミングを勉強。自分たちの手で制作した作品を体育館で投影するなど楽しみながらデジタルスキルを身につけることができました。他にもバドミントンサークルでの活動や地域ボランティア、キャリアゼミ、生命科学分野の臨海実習の集中講義、千刈キャンプなど、「体験できることは全部」という気持ちで…。関学には、専門分野の学びを深める環境はもちろん、さまざまな体験ができるプログラムや課外活動があり、挑戦することで自分を高めるきっかけになります。おかげで足りなかった力を補うこともでき、大学入学前より自分に自信が持てるようになったと思います。

自分自身の成長が
周囲の助けに繋がり、
社会課題の解決にも
繋がっていくと思うから。

たくさんの挑戦を重ねて充実した学生生活を過ごしてきましたが、それでも4年生になって研究室に入り、念願だったテロメアの研究を始めた時のうれしさは格別でしたね。まだまだ未知の部分が多い研究分野で、人の寿命を伸ばすといった応用の可能性もたくさん秘められており、今も毎日ワクワクしながら研究を進めています。
自分自身の成長は、結果的に周りの人を助けることにも繋がり、それが回り回って社会課題の解決にも繋がると思うんです。だからまず、私自身が成長しなければ。これからも経営学や起業論、AIや宇宙、建築デザインやSDGsについてなど、学びたいことがいっぱいです。私自身の足りないところをもっともっと補っていけば、社会に出た時にもきっと誰かのために活躍できる。抗がん剤の副作用で苦しむ人を助ける力になれるよう、研究も成長も、重ねていきたいですね。

PROFILE

的野 志帆さん

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大学院 理工学研究科 生命科学専攻 修士課程1年生
※取材当時

的野 志帆
(まとの しほ)

兵庫県立尼崎稲園高校出身。「将来は抗がん剤の開発に携わりたい」と考え、そこにつながるテロメアの研究に取り組むため、関西学院大学理工学部生命科学科に進学。学部生の頃には理工学部が提供するプログラムで台湾に約一週間留学し、現地フィールドワークなどを体験。4年次より田中克典教授の研究室で現在の研究テーマに取り組み始め、さらに研究を進めていくため大学院に進学。2021年度仁田記念賞を受賞。また、学部生、大学院生時代ともに、奨学金制度を利用し、関西学院大学の就学奨励奨学金や関西学院大学大学院ベーツ第1種支給奨学金をはじめとする学内外から給付型の奨学金を受給。「経済的負担を気にせず進学を考えることができ、学業にも専念することができました。」と、奨学金の価値を実感。

理工学研究科修士課程1年生 副作用のない抗がん剤の開発という夢に向かって。

※ 理学部初代学部長で、日本学術振興会の特別研究員制度、関西学院大学の博士課程後期課程研究奨学金の創設にも尽力された仁田勇先生を記念し、優れた研究成果が認められた大学院生に贈られる賞

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