和氣 礼佳さん

世界を“笑顔”にするため、
国連機関での仕事をめざす。

大学院 総合政策研究科 修士課程1年生
※取材当時

和氣 礼佳 さん

小学生の頃から関心を抱いている国際協力についての学びを深めるため、総合政策学部から大学院に進学しました。研究室では「国内企業における女性役員数増加に向けた政策提言」といった研究を進めながら、副専攻として国連・外交コースを履修しています。各種国連機関や外務省での実務経験を持つ先生方の指導のもと、国際機関をめざすキャリア形成や国際マネジメントについて、海外からの留学生たちと英語でセッションを重ねるといった実践的な学修に、楽しく取り組んでいます。学業以外では、国際NGO でのボランティア活動をはじめとした様々な活動に尽力しています。将来は国連機関での仕事に就き、人々が心の底から笑える世界をつくりたい。それが、私の大きな目標です。

データ解析など理数系の分野も含め、学部時代から幅広い学びに取り組んできた和氣さん。背景には「無知が一番怖い」というご両親の教えがあります。「知らないのに口を出すというのは、良いことと思えません。状況や相手の感情を理解した上で何かを行うのが重要と教わってきたので、それが私の知的欲求の根底にあるのかもしれません」

タンザニアでの体験から
国際協力への関心が高まり、
メディアなど関連する
幅広い知識の修得にも励んだ。

16歳の時、タンザニアでの国際ボランティアに参加しました。飢えに苦しむ人々の写真や映像を見て「かわいそう」「助けなければ」という印象を持って訪れたのですが、現地で孤児院の子どもたちと出会い、私は間違いに気づいたのです。懸命に生きる子どもたちからは強い自立心が感じられ、決して「かわいそう」などではありませんでした。国際協力において大切なのは「お互いに人として正しい理解をもって向き合い、一緒に頑張る」といった動きなのだと、私はこの時の体験を通して考えるようになりました。
また「正しい理解」のための「メディアの伝え方」にも関心を持ち、大学進学後、2年次の学科選択ではメディア情報学科を選びました。「国際協力について学びたい」という気持ち以上に「私にはメディアの知識が圧倒的に不足している」という懸念が大きかったのです。この学科ではメディアや広報について根底から理解が深められ、データ分析によって社会問題の実態を深掘りするといった手法も学べました。さらに他学部の授業も履修し、学部時代にはとても幅広い知識が得られたのが良かったと感じています。

多様なバックグラウンドをもつ
人々との思い出が
「世界に笑顔を」という気持ちを
後押ししてくれる。

総合政策研究科での授業、国連・外交コースでの授業、そして教学補佐やボランティア活動、家庭教師や英会話講師のアルバイトなど、忙しく充実した毎日を過ごしています。学内のさまざまなプロジェクトやサークルでの活動にも学部時代から大きな力を注ぎ、寝る間も惜しいほどです。好奇心旺盛な性格は、小学生の頃から変わりません。仲間と一緒に挑戦することや、学びや体験を通して新しい発見や知識を得ることが、とても楽しいんです。
そうしたなかで、私はこれまでに30ヵ国を超える出身の人々、年齢や性別、人種や宗教なども異なる多様な人々と、かけがえのない思い出をつくってきました。多文化共生や国際協力への興味は、そこから自然と高まっていったように思います。ただ「世界をより良くしたい」と考える以上に、今は目の前の人と一緒に楽しみたい気持ちや、目の前の人の力になりたい気持ちが強いですね。少しずつでも知識や力をつけることで身の回りの人々の不安を取り除けるようになり、自分の周囲から明るい笑顔を広げたい。それが「人々が心の底から笑える世界」の実現につながると思います。

PROFILE

和氣 礼佳さん

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大学院 総合政策研究科 修士課程1年生
※取材当時

和氣 礼佳
(わけ あやか)

関西学院千里国際高等部出身。親の仕事の影響で、15歳までに約9年間、中国に居住。高校生の時に文部科学省の留学促進プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」に参加し、タンザニアでの5週間の国際ボランティア活動を体験。国際協力に強い関心を抱き、2018年4月に関西学院大学総合政策学部に進学。学部時代はメディア情報学科でメディアリテラシーや情報技術についての学びを深める。また、人間福祉・国際・社会学部など他学部の講義も受講し、幅広い知識を修得している。一方で日韓交流プロジェクト『ミリネ』、学部傘下の学生団体『SCS(Student and Campus Supporter)』、国際 NGO 学生団体『Eco-Habitat 関⻄学院』、関⻄学院大学生×ハーバード大学生交流プロジェクトなどの課外活動にも積極的に参加。なかでも『Eco-Habitat 関西学院』でリーダーを務めた「エコキャンプ」の成功により三田市学生プロジェクトコンテストの三田観光協会賞を受賞。また、学外でも国際 NGO の事務・広報ボランティアに高校時代から携わり、現在も続けている。2022年4月に関西学院大学大学院総合政策研究科に進学。休日は友だちと食事やカフェ巡りをして過ごしたり、展覧会や博物館を訪れたりすることが多いそう。

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